
美しい季節になりました。
まだ、疫病は退散させてはおりませんが、
気持ちの上では、すでに桃源郷にいる気分です。
こんな漢詩を思い出しました。
杜甫、李白、白楽天のうちなら、私は断然、李白派。
彼のエピキュリアン的なディオニソス的なところが大好きです。
人生なんて所詮は、夢のようなもの、なら、楽しまないでいられるでしょうか?
自宅で外出自粛していても、心は、桃源郷にあるのです。
春夜宴桃李園序
李白
夫天地者万物之逆旅、光陰者百代之過客
而浮生若夢、為歓幾何
古人秉燭夜遊、良有以也
況陽春召我以煙景、大塊仮我以文章
会桃李之芳園、序天倫之楽事
群季俊秀、皆為恵連
吾人詠歌、独慚康楽
幽賞未已、高談転清
開瓊筵以坐花、飛羽觴而酔月
不有佳作、何伸雅懐
如詩不成、罰依金谷酒数
春夜桃李園に宴するの序
李白
夫れ天地は万物の逆旅、光陰は百代の過客なり
而して浮生は夢のごとし、歓を為すこと幾何ぞ
古人燭を秉つて夜遊ぶ、良に以有るなり
況や陽春我を召くに煙景を以てし、大塊我に仮すに文章を以てするをや
桃李の芳園に会して、天倫の楽事を序す
群季の俊秀なるは、皆恵連たり
吾人の詠歌は、独康楽に慚づ
幽賞未だ已まず、高談転た清し
瓊筵を開いて以て花に坐し、羽觴を飛ばして月に酔ふ
佳作有らずんば、何ぞ雅懐を伸べん
如し詩成らずんば、罰は金谷の酒数に依らん
こういう宴会を心の中で開くのであります。