不思議な夢を見ました。

もう10年以上も前の話です。過労から風邪をこじらせて高熱を出し、病床に伏せっていました。そんな時に、不思議な夢を見ました。その夢の中で「三途の川」らしきものを見たのです。

暗く蒸し暑く鬱蒼としたジャングルのぬかるみの中を、独りで、もがきながら歩いていました。足元には、得体の知れない虫やらミミズやらヒルやらが這い回っています。おまけに木の蔓に足をとられてこけます。樹上には、大蛇が舌を出してこっちをうかがっています。ジャングル中に響き渡るように鳥やサルなんかが鳴いています。
僕は怖くて、心細くて、とっても焦っていました。こんな薄気味悪いところを早く抜け出したくてたまりませんでした。

すると、遠くに光が見えます。
そっちのほうにコケながらもがきながら歩いてゆくと、視界が開けてきます。
ぐんぐん歩いてゆきます。すると、目の前に大きくはないけど、歩いて渡るには深くて広そうな川が流れています。
対岸にふっと目をやると、この世のものとは思えないほど美しく色とりどりのお花(しかしどこか人工的な感じもする)と、蝶々(僕の思念に反応して飛んでいるような感じ)が見えます。ものすごーっく心ひかれて、あっちに行きたい気持ちが高まりました。でも、川を渡るのがとても怖い。
躊躇していると、僕の背中の方で、遠くから、「お~い!お~い!」と呼ぶ声が聞えます。
「誰だろう?」と思って、後ろを振り向いた瞬間、目が覚めました・・・。

僕の弟は、33歳で亡くなったのですが、子供の頃しょっちゅう高熱を出していました。
それで、大人になってからあるとき、こんなことを言ったことがあります。
いわく、寝ていたら(子供部屋は2階)、台所で、父と母と僕が、テレビを観て笑いながら寿司を食ってるところが見えたと、そして、そのすぐあと、僕が、2階に上がってきて「おい、寿司食うか?」と訊いたと。

今回僕をうしろから呼んでくれたのは、弟だったのかなあ・・・、なんて思います。