
前回の六爻易の続きです。
今回は、六獣から説明します。
六獣(りくじゅう)
六獣は、納甲後に各爻につける六種類の神獣のことです。
玄武、青龍、白虎、朱雀は四正獣と言って、東西南北を守護する神獣です。騰蛇(とうだ)は羽のない空飛ぶ蛇、勾陳(こうちん)は、モグラのような土の中にいる神獣のことです。この六獣には、以下のようにそれぞれ意味があります。
日の十干によって爻につく順番が決まっています。
例
4月13日の日の十干は、「辛(かのと)」です。辛の日には、
初爻〜上爻の順に、白虎、玄武、青龍、朱雀、勾陳、騰蛇 とつきます。
六獣にも五行があり、白虎は金、玄武は水、青龍は木、朱雀は火、勾陳と騰蛇は土です。
また、それぞれに、意味があります。
白虎=猛烈、鋭い、残酷、怒りっぽい、刀、武器、手術、流血、災難、病気など。
玄武=こっそり、ずるい、陰謀、悪賢い、欺瞞、詐欺、盗む、裏がある、汚い、恥など。
青龍=身分が高い、貴族、金持ち、財産、吉祥、喜び、めでたい、優しい、美しいなど。
朱雀=書類、マスコミ、情報、火事、訴訟、言葉、本、熱が出る、騒音、印鑑など。
勾陳=警察、監獄、政府、役所、公務員、事務、不動産、腫れる、癌、太るなど。
騰蛇=信用できない、邪推、不思議、びっくり、恐ろしい、欠ける、羨む、けち、執拗など。
六親五類(りくしんごるい)
六親五類とは、我、兄弟、父母、子孫、妻財、官鬼のことです。
それぞれに意味があり、五行と同様に生剋の関係があります。
・我=本卦の属する五行(木、火、土、金、水)を表します。
・兄弟=本卦の属する五行と同じ五行の爻を表します。文字通り兄弟を表したり、あるいはライバルを表したり、商売やお金をことを占うときは、損失や倒産など悪い意味を表します。
・父母=我を生じる五行の爻のことです。文字通り父母を表したり、自分を守り助けてくれるもの、乗り物、通信やデータなども表し、裁判では、訴状も表します。
・子孫=我が生み出す五行の爻のことです。文字通り自分の子供を表したり、自分を楽にしてくれる存在ということで、医者、薬、弁護士なども表します。
・妻財=我が剋する五行の爻を表します。我が使役するので、財産、部下、使用人、夫から見た妻(古代中国の価値観です^^;)などを表します。
・官鬼=我を剋する五行の爻を表します。我を脅かし、支配し、抑圧するものを表すので、病気、災害、戦争、政府、上司、会社、妻から見た夫などを表します。
六爻易における時間について
基本的に干支が月を表しているので、それで推測します。
月ごとに、干支が強くなったり弱くなったりします。多少誤差はありますが、ほぼ以下のような対応になっています。
子→12月、丑→1月、寅→2月、卯→3月、辰→4月、巳→5月、午→6月、未→7月、申→8月、酉→9月、戌→10月、亥→11月
爻の強弱について
各爻と月、日の相性を見ます。
相性も原則、五行の相生、相剋を考慮して決めます。
相性が良ければ強い爻、相性が悪ければ弱い爻になります。
例 月の干支と各爻の干支の相性で強弱が決まります。
4 月 13 日
壬辰 月 辛卯 日
(土)辰は土の性質で、爻の()の緑字は辰との相性から強弱を表現したものです。
(離) 天火同人 (艮) 山火賁
騰蛇 子孫戌土(朋冲、)(応)
勾陳 妻財申金(生、) 官鬼子水(剋、)
朱雀 兄弟午火(休、) 子孫戌土(朋冲、)
青龍 官鬼亥水(剋、)(世)
玄武 子孫丑土(比、)
白虎 父母卯木(休、)
生、合、併、比は相性が良い印です。剋、休、冲、朋冲は相性が悪い印です。
例 日の干支と各爻の干支の相性で強弱が決まります。
4 月 13 日
壬辰 月 辛卯 日
(木)卯は木の性質で、爻の()の青字は卯との相性から強弱を表現したものです。
(離) 天火同人 (艮) 山火賁
騰蛇 子孫戌土(朋冲、合)(応)
勾陳 妻財申金(生、休) 官鬼子水(剋、休)
朱雀 兄弟午火(休、生) 子孫戌土(朋冲、合)
青龍 官鬼亥水(剋、休)(世)
玄武 子孫丑土(比、剋)
白虎 父母卯木(休、併)
用神(ようじん)、原神(げんしん)、忌神(きしん、きじん)について
用神とは、占的がどうなるのかについて主に吉凶を判断する爻のことです。原神とは、用神を支援する爻のことで、用神の勢いを強める働きをします。忌神とは、用神を攻撃する爻のことで、用神の勢いを弱める働きをします。
用神、原神、忌神の働きを総合的に判断して吉凶を占います。
例
占的:今後、日本で新型コロナウィルスは感染拡大するか?
4 月 13 日
壬辰 月 辛卯 日
(離) 天火同人 (艮) 山火賁
騰蛇 子孫戌土(朋冲、合)(応)
勾陳 妻財申金(生、休) 原神 官鬼子水(剋、休)
朱雀 兄弟午火(休、生) 子孫戌土(朋冲、合)
青龍 官鬼亥水(剋、休)(世)用神
玄武 子孫丑土(比和、剋) 忌神
白虎 父母卯木(休、併)
占的は、伝染病が蔓延するかという災いなので、「官鬼」のついている爻を用神に選びます。
よって、第三爻の官鬼亥水を用神にします。そして、用神の官鬼亥水は水の性質なので、水を支援する金の性質を持つ、第五爻の妻財酉金を原神に選びます。また、官鬼亥水という用神を攻撃する忌神は土の性質の爻を選びます。用神に近いところから選ぶので、第二爻の子孫丑土を忌神に選びます。
これらの強弱を総合的に判断して占的の吉凶を決めます。
かなり進んできました。今日はここまでにします。あともう少しです。
丁寧な解説有難うございます。前回のものを読み直しながら理解を進めたいと思います。本当にお手数をおかけ致しますが、ここら辺までについてとか全体を俯瞰して見えるようなもの(図示されたようなもの)がありますでしょうか。齢60代後半で認知症が進んでいるのでしょう。どういう構造になっているのかと、全体から見てどうなっているのかとか、安易に理解を求めている訳では無いのですが、暗中模索といった感もありまして。是非にとは申しません。猿にでも分かる初期の案内図みたいなものがあればと愚考しているものですので。確かに一つの思想や宗教的考えを簡潔に述べるのは難しいことです。すみません。
中尾さん
メッセージありがとうございます。
俯瞰できるもの、出来合いのものはないので、可能なら作ってみたいです。
どうもありがとうございます。