タイム・トラベラー(2)〜ジョン・タイターと反時間理論・世界線の収束理論から見た我々の世界の未来について。

先日、雑誌のジョン・タイターの記事を読んでいて、とても興味深い内容に出会いました。

以下、ジョン・タイターについての簡単な説明と、世界線の収束についての考えを書きます。

ジョン・タイター登場

2000年11月3日、アメリカの大手ネット掲示板に最初の書き込みが行われました。「私の名前は、ジョン・タイター。2036年からやってきたタイムトラベラーです。」

最初は、相手にされなかったようですが、タイムトラベルの理論や彼のいた2036年の様子、未来から来た証拠のタイムマシンの設計図などを書き込み、徐々に受け入れられて、しまいには複数の掲示板に書き込みをするまでになったそうです。

タイターの世界では、2000年問題でコンピューターが誤作動を起こし、事故や災害が起き、世界が大混乱を起こしたと言っています。そしてこの2000年問題が、後に2005年、アメリカの内戦までも引き起こす原因になり、さらに、2038年にコンピューターの誤作動を引き起こすであろうことが危惧されたそうです。

そこで、ジョン・タイターは、古いコンピューターの言語を書き換えることができる、2036年の世界にはもう存在しない、「IBM5100」という旧型のコンピューターを入手する使命を帯びて、過去にやってきた、と言っています。

ジョン・タイター真贋論争

イタリアの国営テレビ局が、ジョン・タイターが本物かどうか、突き止めるため、私立探偵を雇って、調査したドキュメンタリーを制作しました。

このドキュメンタリーは非常によく出来ていて、ジョンタイターが本物かどうか、かなり精緻に検証しています。

結論的には、当時10歳だったと思われる、ジョン・タイターという名前の男の子も、その母親も、見つけることは出来なかったとうことです。

そのかわり、ラリー・ハーバーと言うジョン・タイターに関する著作権を管理している弁護士とその弟が、この現象の張本人ではないか、と言う結論でした。

真偽はどうにも…、ジョン・タイター自体が偽名かもしれないし、ラリー・ハーバー弁護士が、口を割らない限りは真相はわかりません。

世界線についての考察

 ジョン・タイターは偽物かもしれませんが、最近読んだ雑誌の中で、優れた考察を目にしました。それは世界線についての考察です。

まず、世界線と言うものが何かを説明します。量子論的世界観のひとつに、私たちの世界(宇宙)は、無限に枝分かれしていく並行宇宙のひとつに過ぎないと言う考え方があります。これは、前回説明した、エヴェレット解釈(多世界解釈)です。この考え方に基づくと、無限の可能性のある宇宙が存在し、私たちは、そのうちの一つを現実として選んでいる、と言うことになります。

無限に異なる世界が同時に存在するとすると、我々の世界で起きたことが、別の並行世界では起こらなかったと言うことはあり得ます。東日本大震災が、起こらなかった世界もあるのでしょう。タイターの世界では、2000年問題、つまり、西暦2000年に古いコンピューターが誤作動を起こし、世界が大混乱に陥る、と言う事件や、第3次世界大戦が起きた、とされています。タイターが言うには、我々の世界とタイターの世界では、2%のズレがあるのだそうです。我々の世界のタイムラインとタイターの世界のタイムラインは、2%ズレていると言うことです。この、我々の世界を限界づけている境界線のことを世界線と言うのだと思います。ブラックホールの説明などで出てくる、事象の地平線もこの種の境界線なのでしょう。

タイターは、いろいろな予言をしていて、当たった予言も多いですが、外れた予言も、非常に多いのです。タイターは、外れた時の言い訳として、自分がいた世界線と、こちらの世界線はズレているから、というようなことを言っていました。そして、これを指して、タイター否定論者たちは、タイターがタイムトラベラーだというのは嘘だ、と主張していました。

私は、今まで、この多世界は、無限に発散して、我々の世界と別の世界が、ひとつに合流したり、そしてまた、分かれていったりということはないと感覚的に受けとめていました。

しかし、実はそうではなく、世界どうしの境界線(世界線)が、ひとつになって、合流(収束)したり、また、分かれていったりということを繰り返しているのではないか、という考察に今回、出会ったのです。

宇宙は11次元で成り立っていて、この物理3次元は、11次元からみると、膜のようなもので、無限にその膜どうしが重なりあっていく、というような考えが、「M理論」だと思います。

私は、専門家ではないので、量子論の入門のあたりの、シュレディンガー方程式を3次元空間に応用したところまでの式とその解のところまでぐらいしか知らないのですが、それぞれのパラレルワールドの3次元空間には、また固有の波動関数が当てはまると思います。

シュレディンガー方程式は、波動関数ですので、この波動が、我々の世界と別の世界どうしで、時には同調するということも起きるでしょう。マンデラ・エフェクトや、今喧しいアセンションもこれによって説明できるかもしれません。

そして、もっと進んで、我々の世界と、ほとんど同じで、本当に微細に異なる世界も数多く存在し、多くの点で共通点をもつ世界どうしは、ほとんど同じ波動関数に支配されているので、完全に同調して世界線が収束した場合、両方の世界では、ほぼ同じことがすでに起こった、ということになってしまうのかもしれません。

この収束という考えを採り入れると、エヴェレット解釈でいうところの無限に存在するはずのパラレルワールドが、実は、有限な世界に収束する、ということになってしまう、と、その雑誌の記事には書いてありました。つまり、無限に発散するように見える多元宇宙は、確率的に高い似たような世界に収束してゆくということです。

この考え方はとても説得力があります。この収束理論によれば、より高い確率で、同調する世界どうしは、やがてひとつに収束していく、という可能性が高いと思います。

ジョンタイターのいた並行世界では、2000年問題の後、アメリカが内戦状態になり、独裁国家のアメリカ帝国と、それに対抗する国に分裂したことになっています。

一方、我々の現在の世界のアメリカを見てみると、トランプ支持者の勢力や、BLM運動を支持する勢力などが衝突を繰り返したり、毎日のように警官隊と衝突したりして、内戦状態になっているとも言えると思います。このまま、大統領選挙で、トランプが勝っても、バイデンが勝っても、混乱は避けられそうにもありませんよね。これは、我々の世界線が、ジョン・タイターの世界線と収束し始めてきたことを示すのかもしれません。

時間自体の双方向性

また、私たちは、因果律に縛られていて、過去から未来へ、一方向しか、時間は流れないと、思っていますし、それが常識というか、我々の時間の感覚ですよね。

しかし、過去も現在も未来も並行世界という形で同時に存在していて、それぞれが、それぞれに影響を及ぼし合っている、ということが、最近、だんだんとわかってきているようです。まあ、未来から過去には時間は流れないかもしれませんが、未来が現在に影響を及ぼす、という、因果律に反することが起きる可能性があるということが、最近わかってきたらしいです。つまり、原因が結果を生み出すのではなく、結果が、いくつもある原因の一つと強く結びつくということなのかもしれません。アインシュタインは、因果律を特に重視して、量子論を嫌っていたのですが、もしかすると、因果律自体が間違いかもしれない、もう少し厳密にいうと、2つの事象の間の関係は、時間的な先後関係には縛られない、つまり、過去から未来に流れる因果律だけではなく、「未来から過去に流れる因果律」というべきものもある(もはや、因果律とは呼べないかもしれないですが)、ということなのかもしれません。

だとすると、我々のタイムラインは、未来でタイターのタイムラインと合流(収束)することが決まっているので、その未来が、逆に、現在の事象を作り出している可能性もあるのではないかと思うのです。もう、未来においては、第3次世界大戦は起きたことになっているので、その未来から見た過去である現在が、未来の世界線と合流し始めた結果、第3次世界大戦が、これから起きる原因をたくさん作り始めている、もっというと、第3次世界大戦を起こさないような平和的な試みは、ことごとく実現しないようにタイムライン自体が妨害してくる、というようなことが起きているのかもしれません。

ジョン・タイターの世界線で起きた出来事が、我々の世界でも起きる?

以上のことを考えると、ジョン・タイターのいた世界で起きた出来事が、我々の世界でも起きる可能性がある、ということです。

タイターの世界で起きた主な出来事

では、もう一度、タイターのいた世界の主な出来事を整理してみましょう。

・2008年の北京オリンピックは開催されず、以来オリンピックは開催されず、2040年に再開される予定。

・アメリカは独裁国家のアメリカ帝国と民主主義国家に分裂し、ロシアが介入してくる。

・第3次世界大戦が勃発する。

戦後、今まで、オリンピック自体が中止になったことはなく、北京オリンピックは、私たちの世界では、予定通り開催されましたが、21世紀のアジアのオリンピックというくくりで考えてみると、東京オリンピックが予定通り開催されなかったというのは、タイターのいた世界線に引っ張られた出来事かもしれません。

また、トランプ大統領を支持するグループと、BLM運動など、反トランプ運動を展開しているグループとが激突してアメリカがこれほどまでに分裂・荒廃するとは、2000年の当時は、想像もできませんでした。アメリカのメディアのいくつかは、すでに、”civil war”という言葉を使い始めています。

タイターの世界では、この内戦は、ロシアが核ミサイルを打ち込むことによって終結したそうですが、我々の世界では、トランプ大統領が当選したのも、ロシアの協力があったからだとか、トランプは、プーチンやその他ロシア筋と多くのコネクションを持っているとか、いろいろと言われています。ロシアが、アメリカに大きな影響力を持っていることは紛れもない事実ですね。そして、トランプが当選してもまた、落選しても、分裂は避けられないような情勢です。ここでも、我々の世界がタイターの世界と収束しそうな気配がします。

だとすると、タイターの世界で起きた第3次世界大戦は、私たちの世界でも近々起きるかもしれない、と私も思うのです。