魔術的なもの

魔術的なものに出会ったのは、中学校2年生ぐらいのときだったと思います。きっかけは、書店で見かけたこの本です。

「胡桃の中の世界」というタイトルでした。西洋のサブカルチャー、時には、カウンターカルチャーでもあった神秘学についての本でした。中学生の僕にはとても難解でよくわからないところも随所にありました。しかし、この本には、妖しげな挿絵も多くあり、それを眺めているだけで、なんとなく不思議な気分になったものでした。

西洋文明の影に焦点をあて、それを本格的に知の体系として日本に紹介したのは澁澤龍彦氏が初めてだと思います。その意味でも、同氏の著作はとても価値があると思います(まあ、それほど体系的というわけではないというのは後にわかったことですが・・・)。