東洋占術の基礎のお話(1)〜陰陽五行

六爻易、四柱推命、紫微斗数、奇門遁甲、風水などなど、全ての占いに共通する東洋の占術における哲学で欠かせないものが、「陰陽五行」説です。

これは古代中国人の科学であったわけですが、迷信と断ずるのは早計に思います。

古代中国人は、自然を観察して、この宇宙の本質は、陰(マイナス)と陽(プラス)の要素が渾然一体となった状態が渦巻いているもの(太極)である、と考えました。

そして、この太極からまず、5つの要素が派生したと考えました。それが木火土金水の5つの要素です。これを「五行」と言います。

そして、その五行の相互関係に着目し、自然の変化のサイクルを以下のように考えました。すなわち、樹木は燃えて土を生じ(木生火、火生土)、土の中には氷が生じ(土生金)、氷は溶けて水を生じ(金生水)、水は樹木を生育させる(水生木)。このサイクルを永遠に繰り返す、と考えました。このお互いに生じ合う関係を「相生(そうしょう)」と言います。

一方、この五行は、一方が他方を打ち消す、滅ぼす関係もあります、木は土の栄養分を吸って成長する(木剋土)、土は水を堰き止める(土剋水)、水は火を消す(水剋火)、火は氷を溶かす(火剋金)、氷(金属)は木を切り倒す(金剋木)。これも永遠に繰り返される変化です。このお互いに打ち消し合う関係を「相剋(そうこく)」と言います。

これが、古代中国人の自然観、宇宙観だったわけです。これは森羅万象に共通する考えで、ここで木火土金水で表される五行という要素は、高度に抽象化されて、相生と相剋という変化は、さまざまな事象に当てはめられます。

これが陰陽五行説の最も基本的で大事な考え方です。