マスクはいつ頃品薄が解消されるか?易で占ってみました。

 政府が総額400億円以上の巨費を投じて、全国5000万世帯に布マスクを2枚ずつ配るという政策を決定しました。市場でまだまだ品薄なマスク不足の不安を和らげるためとみられます。ないよりはマシですが効果は疑問ですよね。そこで、今回は、マスクの品薄状態は解消されるのか?もし解消されるなら、いつ頃になるのでしょうか?易で占ってみました。

(1)周易による結果

(2)なぜ足りないのか?

(3)いつ不足が解消するのか?

(1)易(周易)による結果

 まず、普通の易(周易)の卦を見てみましょう。

出た卦は、「山風蠱(さんぷうこ)」で、変爻は、初爻と第三爻でした。

 山風蠱(さんぷうこ)は、風が山にさえぎられて空気がよどみ、皿にのった食べ物が腐って虫が湧いているという状態を表します。この「蠱(こ)」という字、お皿の上に虫が三匹いますよね。よって、この卦を状況として読むなら、停滞、腐敗、失敗、そういったことを表します。この卦の初爻(一番下のーー)、三爻(下から3番目のー)は、ほぼ同じような意味で、「父親の失敗を子供が後始末をする」という意味があります。ということは、父親である国のこの政策は失敗で、子供である国民が、何とかしてこの後始末をする、ということかもしれません。いずれにしても、山風蠱は、いい卦ではないので、やはり、「すぐにマスクの品薄状態は解消されるか?」という問いに対しては、ノーと言わざるを得ません。まだまだ品薄状態は続くように思います。

 この「山風蠱(さんぷうこ)」は、初爻と第三爻が変化して、「山沢損(さんたくそん)」となります。

 山沢損(さんたくそん)は、「減少する」という意味です。ということは、市場に出回る量が少ないことを意味しています。政府は、4月から月産7億枚の生産体制を整えたと発表していましたが、それでも足りないということでしょう。

(2)なぜマスクは足りないのか?

 では、なぜ足りないのか、また、いつ頃になったら、品薄状態は解消されるのかについて、詳しくみていきたいと思います。これには、また、「断易(だんえき)」という手法を使い、報道等で判明している現状や見通しなどを加味して考察してみます。

 まず、その前に、断易において「山風蠱(さんぷうこ)」という卦は、「巽(そん)=風=木」という卦のグループの中の第8番目の「帰魂卦(きこんか)」といわれるもので、「現在の状況が続く」という暗示があります。ここでも、周易で出た結果と同じ、「現在の品薄状態がまだまだ続く」という結果が出ています。

 具体的にチャートを見ると、品薄を引き起こしているのは、「帰魂卦」の下にある「玄武 兄弟寅木」です。「兄弟」は競争相手、競合企業を表します。しかも、この爻は第6爻ですので、海外の企業です。日本で流通するマスクの約7割は中国製であるということですので、中国の生産と輸入が回復することが必要であることはいうまでもありません。また、中国は、中国国内で生産されたマスクを統制品として全て政府が買い上げている模様です。ですので、この統制がなくならない限り、日本への輸入は増加しないでしょう。

 また、玄武は、「隠す、騙す、ずるい」などの意味があり、転売屋の暗示もありますね。日本国内では、マスクを高値で転売することはすでに禁止されているので、国内で公然と高値で転売することはできないと思います。しかし、海外と取引をしている転売屋も相当数おり、闇取引や、海外への転売、あるいはニワカの個人商店として海外から仕入れ、法律の目をかいくぐり、転売ではなく、高値で小売をするなどで、買い占めや品薄状態がまだ続いているように感じます。この規制を政府がきちんとできるか否かにかかっていると思います。

(3)いつ品薄が解消するのか?

 今回はマスクの購買についてですので、中心に見ていく爻は、初爻の「青龍 妻財丑土」としました(中心に見る爻を用神と言います)。この妻財は、月からも日からも応援を得られていますので強いです。よってマスクの需要が供給より大きいということを表していると読めます。また、初爻ですので世間一般の需要を表します。需要と供給が一致すると通常の市場価格での通常の取引に戻ります。おそらく国内市場の供給側は、第3爻の官鬼酉金で、空亡しているので、まさに在庫がない状態でしょう。これが、用神と同じ妻財丑土に変化するので、需要と供給は一致して、適正価格で通常通りの売買に戻るということでしょう。

そうなると、今のような、需要が極端に大きい状態、誰もがマスクを欲しい状態が解消される時が、マスクの品薄状態が解消される時です。そうすると、そのような変化の時は、需要を表す妻財丑土が弱くなる時です。

 それは、いつ頃になるか。まずは、丑土と朋冲になる月、すなわち7月7日〜8月6日は、月の干支が癸未(みずのとひつじ)となる時でしょう。最も早くてこの頃でしょう。

しかし、まだまだこの時には、中国の生産や輸出を表す第6爻の兄弟寅木があまり強くならず、日本の流通量の約7割を占める中国の生産や輸出がまだ本格正常化は難しい。また、マスクの国内増産や中国からの輸入が増えて一旦品薄が解消するかに見えても、この頃に人々が殺到して買い占めなどが起こってしまう可能性が高く、転売屋の暗躍もしっかりと取り締まれなければ、まだ、マスクの品薄解消は難しいかもしれません。ですから、この時期は、国民生活安定緊急措置法などによる政府によるマスクについての売買の規制、さらなる国内増産、そして中国からの輸入増大がカギとなるでしょう。

結局、第6爻の兄弟寅木の表す、中国の生産と輸出の正常化が重要なポイントとなりますが、「水生木」で、水の勢いが強くなる丁亥月と戊子月つまり、11月、12月頃になってやっと本格的な回復の兆しが見られるかもしれません。あるいは、「木」の勢い自体が強くなる来年の年明け以降かもしれません。

以上の結果から、早くて、7月〜8月頃、ですが、政府の統制や輸入を含めた生産・流通が増えなければ、また品薄になり、本格回復の兆しは11月〜12月頃、さらに来年年明けまで回復はずれ込むこともあるだろうと思います。