馬蝗絆(ばこうはん)

国立博物館にある南宋時代の青磁の名器です。

「日本に伝わる青磁茶碗を代表する優品である。江戸時代の儒学者,伊藤東涯が記した『馬蝗絆茶甌記』によると,かつて室町時代の将軍足利義政がこの茶碗を所持していたおり,ひび割れが生じたため,代わるものを中国に求めたところ,明時代の中国にはもはやそのようなものはなく,鉄の鎹でひび割れを止めて送り返してきたという。この鎹を大きな蝗に見立てて,馬蝗絆と名づけられた。」(国立博物館HPより)

これをひっくり返すとこんな風になっていて、割れ目を留めている鉄の鎹が馬の背中にとまっている蝗のように見えますね。

こんなにすごいものはもう作れない、中国にも残っていない、だから、ひび割れを継いで返してくるなんて、明代の中国人も大したものです。

何年か前に国立博物館に観に行った時は、常設展示でした。国立博物館のHPによると、展示予定未定となっているので、今は展示していないのかもしれません。

これ、重要文化財です。昔、「美味しんぼ」に載っていたのを思い出しました。