占術の限界について

テレビでも雑誌、新聞でも、今日の運勢などをやっていますね。

中には怪しげな名前の占い師もいろいろいますよね。
そういうところが、占いを胡散臭いと思わせている原因の一つかもしれません。

占い師の大御所としては、細木数子という人がいましたね。
最近あまりテレビには出てこないようですが。

Hiroshima Atomic Dome

細木数子は、銀座のクラブのママをしていて、日本の東洋哲学界の重鎮である、安岡正篤と知り合い、結婚します。
安岡正篤っていう人がどのくらい凄い人かというと、太平洋戦争の時の、天皇陛下の終戦の詔勅がありますよね。
「耐え難きを耐え、忍び難きを忍び、以って、万世のために泰平を啓かんと欲す・・・」とかいうあれです。
安岡正篤は、あの文章を書いた人なんです。

確かに、安岡正篤は、易などの東洋占術の大家で、吉田茂などの大物政治家も、恭順するほどのすごい人でした。
その奥さんになったのが、細木数子です。

ところで、あのおばさんの占いは六星占術とかいいますが、その的中率はかなり疑わしい。
東洋の四柱推命をアレンジして簡略化しただけ。簡略したから解りやすい。
解りやすいから一般ウケする、ということで、「大殺界」という言葉を流行らせました。

どの占いも本来は統計学なので、四柱推命も膨大なデータをもとに、一人一人の推命を行います。
膨大なデータベースに照らしあわせて個人の運勢を読んでいくわけですから、簡略化したら意味がありません。
人類4千年あるいは5千年とも言われる星のデータと、その配置の時に起きた自然や人間の営為を組み合わせたものそれが占星術です。
基本的にこれは洋の東西を問いません。星の組み合わせで運勢も違ってきますので、簡略化は禁物です。

それでも信者というか依頼者というかが多いと言うのはどうしてなのか。
ものすごい高い鑑定料をポンポン払う人がいるのはなぜか。

占いというのは、半分以上が、カウンセリング、つまり人生相談なんです。
大会社の重役さんとか、政治家さんとかは、人に弱みを見せられないし
誰にも悩みを相談できない。

だから、占いをしてもらって、話を聞いてもらって、時には怒られて・・・。
思うに、世の中には、高い金払って人に怒られたい人がいるんですね。
偉くなると誰も怒ってくれないから、怒られるとなんとなく安心するのかもしれません。

それでも、もちろん中には凄い占い師も実在します。霊能力、超能力といってもいいほどの能力を発揮する人もいます。
また、こういう人は、あまり表には出てきませんので、インチキのほうが目立つともいえるでしょう。

つまり、ここまでで私が言いたいのは、占術はそれを扱う人によって優れたものにもなるしインチキなものにもなるということです。

Normandy beach through the crystal ball

今日は、その例として、ノストラダムスの大予言のときの占星術的な状況をひとつご紹介します。

1999年8月11日、グランドクロス形成していたと同時にローマバチカン上空で日食が起こり、その日食線はその後、ギリシャを横切り、トルコ、シリア、イラク、イラン、アフガニスタン、パキスタン、インドを経て、スマトラ島付近まで延びたのです。
これらの国々が今日活動しているテロリストと関係が深く、21世紀のアメリカの懸念である「不安定な弧」を作る国々とほぼ一致していることなどを考えると、世界平和にとって大きな不安を引き起こしている現在、その重要な暗示だったことがわかります。

しかし、これを当時の占星術家は印パ戦争が激化するであろう、とくらいしか読めなかったのです。これが人間の限界ですね。

星もまた真実を告げているのに、それを読む人間が常に誤るのです。